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【院長ブログ】認知症について(原因と症状)
認知症はその病態が段々と解明されてきましたが、まだまだ早期発見されにくい病気です。
周りのご家族の気付きが重要な病気の発見につながっています。
そこで今回は、“認知症について(原因と症状)”についてお伝えします。
認知症とは?
認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態のことをいいます。一度発症すると、元の状態に戻すことは難しい場合が多いです。
認知症の早期発見のためのポイント
認知症は自覚しにくいこともあり、早期発見には周囲の気付きが大切になります。次のような症状が見られる場合は、認知症の疑いがあります。
【認知症によく見られる症状】
- 同じことを何度も聞いたり話したりする
- 置き忘れや片付けたことを忘れ、常に探し物をしている
- ついさっき電話で話した相手の名前がわからない
- 「財布を盗まれた」など、人を疑うことがある
- 料理、計算、運転などのミスが目立つ
- テレビを見ても内容が理解できない
- 約束をすっぽかすことがある
- 今日が何月何日かわからない
- 近所でも迷子になることがある
- ささいなことで怒りっぽくなった
- 趣味や日課に興味を示さなくなった
- やる気がなく、だらしなくなった
認知症の4つの種類の原因と特徴
認知症にはさまざまな種類があり、次の4種類が代表的です。4種類それぞれの認知症について詳しくお伝えします。
アルツハイマー型認知症
老人斑や神経原線維変化が、海馬を中心た脳の広範囲に出現し、その結果として脳の神経細胞が死滅して起こる。
特徴的な症状
・認知機能障害
・もの盗られ妄想
・徘徊
・とりつくろい
経過
記憶障害からはじまりさまざまな障害へと徐々に進行する。
血管性認知症
脳梗塞、脳出血などが原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死してしまう。
特徴的な症状
・認知機能障害
・手足のしびれや麻痺
・感情のコントロールが上手くできない
経過
原因となる疾患によって異なるが、段階的に進行していくことが多い。
レビー小体型認知症
レビー小体という特殊なタンパク質ができることで、神経細胞が死滅してしまう。脳のCT検査ではっきりとした脳の萎縮がみられないことが多い。
特徴的な症状
・認知機能障害
・認知の変動
・幻視・妄想
・抑うつ
・パーキンソン症状
・睡眠時の異常言動
・自律神経症状
前頭側頭型認知症
神経の変性による認知症の一つで、脳の一部である前頭葉や側頭葉前方の委縮がみられ、他の認知症にはみられにくい、特徴的な症状を示します。
特徴的な症状
・社会性の欠如
・抑制が効かなくなる
・同じことを繰り返す
・感情の鈍麻
・自発性な言葉の低下
経過
症状が緩やかに進行し、発症後平均6~8年で寝たきりの状態となります。
認知症の症状
記憶障害を中心とした認知症の方に必ずと言っていいほど見られる中核症状と、そこに本人の性格や環境などの変化が加わって起こる周辺症状(BPSD)があります。
中核症状とは
中核症状とは、脳の神経細胞が破壊されることによって起こる症状で、その代表的な症状は記憶障害です。
症状は他にも見当識障害、理解・判断力の障害、実行機能障害、失語・失認識・失行などがあります。
周辺症状(BPSD)とは
周辺症状(BPSD)は、脳の障害で生じる精神症状や行動の異常のことをいいます。具体的には、妄想、抑うつ、不安などの精神症状と、徘徊、興奮、攻撃、暴力などの行動の異常が見られます。


 
	








