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【院長ブログ】手足の脱力を感じたらまず診療を 症状別治療法
手足に力が入らないといった脱力症状は比較的よく見られる症状の1つです。 単なる疲れや運動不足であれば、生活習慣の改善によって症状が回復しますが、思わぬ病気の前兆であるケースも少なくありません。 今回は、手足の脱力についてどのような治療法があるかを詳しくご紹介したいと思います。
手足の脱力を感じたら病院を受診しよう
手足の脱力を感じた場合、病院を受診するようにしましょう。 単なる疲れの蓄積や運動不足であれば、生活習慣の改善によって症状の改善も図れる可能性が高いです。 しかし、脳梗塞といった脳の病気や脊髄・神経系の病気であるケースも考えられます。 手足の脱力症状が出てもすぐに治まることがありますが、この場合、脳梗塞の前兆症状である一過性脳虚血発作である可能性が考えられるでしょう。 脳梗塞の場合、発症から治療までの時間が短いほど後遺症が抑えられます。 手遅れになってしまう前に、少しでも異変を感じたら病院を受診するようにしてください。
【症状別】手足の脱力の治療法
手足の脱力の治療法としてはどのようなものがあるでしょうか。 ここでは、症状別に手足の脱力の治療法をご紹介したいと思います。
脳腫瘍
脳内や脳を取り巻く組織に腫瘍ができることによって手足の脱力が起こるケースが考えられます。 脳腫瘍は、乳幼児から高齢者まであらゆる世代で発症する可能性のある病気ですが、ほとんどの場合はCTやMRI検査によって腫瘍の部位や種類も特定可能です。 また、脳腫瘍は良性か悪性かに分かれています。 良性であれば他の器官へ転移する可能性はなく、手術による切除でほぼ完治可能です。 一方、悪性の場合には、短時間で腫瘍が増大し、転移する可能性があり、手術による切除だけでなく、放射線治療や化学療法を行うケースもあります。 早期発見できれば、治療もしやすく、完治すれば通常の生活にも戻ることも可能です。 慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐、視力低下などの症状が観られた場合、脳腫瘍が疑われる可能性がありますので、速やかに検査してもらうと良いでしょう。
脳内出血
脳の中にある細い血管が破れて出血してしまう状態が脳内出血です。 出血した血液が固まって血腫となることでが脳内への圧力が高まり、周囲の正常な脳細胞を圧迫してしまいさまざまな後遺症を招く危険性があります。 主な症状としては、頭痛やめまい・嘔吐・片方の手足の麻痺やしびれなどがあるでしょう。 早期の発見が遅れて重症化してしまうと、意識障害や最悪の場合には命を落としてしまうこともある病気です。 降圧薬や止血薬・脳のむくみを取る薬などを使用する薬物療法や開頭して血腫を取り除き、出血部分を止血する手術療法によって治療します。
脳梗塞
脳梗塞とは、脳内の血管が詰まってしまい血液が流れなくなることで脳細胞が死滅してしまう病気です。 一度脳細胞が死滅してしまうと完全に回復することはないため、身体の麻痺や失語といった後遺症が出てしまいます。 発症から4.5時間以内に血栓を溶かす薬を投与するt-PA治療が有効であり、発症からいかに早く治療できるかが大切です。 ろれつが回らない、身体の片側がしびれる・身体に力が入らないなどの症状がでた場合には、早急に病院で受診するようにしましょう。
まとめ
今回は、手足の脱力の治療法についてご紹介しました。 手足の脱力が出た場合、単なる疲労や運動不足が原因であれば、生活習慣の改善などで回復します。しかし、脳梗塞などが疑われる可能性もありますので、こうした場合には早急な治療が大切です。 手足の脱力は比較的よく起こる症状ですが、軽く考えずに、少しでもおかしいなと感じたらすぐに病院を受診することをオススメします。