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【院長ブログ】手足の脱力はなぜ起こる?原因と手足の脱力を引き起こす病気とは?
手足の脱力やしびれは長時間同じ体制をとっていたことで起こるケースが多く、比較的よく起こる症状といえます。 よく起こるケースのため、軽く考える方も多いですが、思わぬ病気の前兆であるケースも考えられ、原因はさまざまです。
手足の脱力とは?原因と対処法
手足に力を入れようとしても入らないといった経験はありませんか? 手足の脱力は、長時間同じ姿勢をとっていたことで起こる場合も多く、軽く考えている方も多いでしょう。 ここでは、手足の脱力が起こる原因と対処法をご紹介します。
過度な疲れ
過労や睡眠不足などの過度な疲れによって起こるケースが考えられるでしょう。 病気によって起こる脱力よりも症状は軽く、普段通りに走れなかったり、少し歩いただけで疲れたりといった症状が見られます。 日常生活において疲労感が生じることを完全には避けられないことです。 しかし、疲れが蓄積しないよう疲れを感じた際には無理せず程度に休息を取る、十分な睡眠時間を確保する、といった対処法を取るとよいでしょう。 また、ストレスも疲れの原因になります。適度な気分転換を行い、リフレッシュすることも重要です。
運動不足
けがや病気などで長期間運動をしない状態が続くと筋肉が落ちてしまう、手足に力が入りにくくなるケースが考えられます。 けがをした時でも無理をしない程度でかまわないので、できる限り身体を動かすようにすると効果的です。 また、日頃から適度な運動習慣を身につけることも大切です。運動する時間が確保できない場合には、会談を使用するなどのエレベーターではなく階段を使用するなど日常のなかで体を動かす習慣を付けましょう。
手足の脱力は脳梗塞の前兆であることも!
日常生活での習慣を改善していても、手足の脱力が改善しない場合には脳梗塞の前兆である可能性が考えられます。 脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまい、血液が流れなくなることで脳細胞が死滅してしまう病気です。死滅した脳細胞の部位によって麻痺や機能障害が後遺症となる可能性があります。 手足の脱力は比較的よく起こる症状であり、つい軽く考えがちです。 脳梗塞の場合、一刻も早い治療が重要です。手遅れにならないようこうした前兆を見逃さないようにしましょう。
手足の脱力に関する疾患
手足の脱力に関する疾患としては脳や脊髄などの病気が考えられます。 今回は手足の脱力に関する疾患として、特に早期発見が重要な脳梗塞・脳内出血・脳腫瘍について解説したいと思います。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳細胞が死滅してしまう病気です。 動脈硬化によって脳の血管が狭くなって段々と詰まっていく脳血栓症と、心臓などでできた血栓が流れてきて脳の血管を塞いでしまう脳塞栓症の2つが主なタイプといえます。 また、一時的に脳の血管は詰まってもすぐに血流が再開する脳梗塞の前兆症状として起きる一過性脳虚血発作もあげられます。 いずれの症状においても、ろれつが回らない、身体の片方にしびれや麻痺が生じるといったケースが多いでしょう。 治療法としては、脳梗塞発症後4.5時間以内であれば血栓を溶かす薬を投与するt-PA治療が有効です。 早期に治療できれば、後遺症を抑えることも可能であり、いかに早く受診できるかが重要といえます。
脳内出血
脳内出血とは、脳の中にある細い血管が破れて出血してしまう状態です。 脳から出血した血液が固まった血腫が脳内への圧力が高めたり、周囲の正常な脳細胞を圧迫したりすることでさまざまな後遺症を招く可能性が高くなります。 重症化すると意識障害、最悪の場合には命を落としてしまうこともある病気です。 主な症状としては、頭痛やめまい・嘔吐・片方の手足の麻痺やしびれなどがあるでしょう。 治療としては、降圧薬や止血薬・脳のむくみを取る薬などを使用する薬物療法や開頭して血腫を取り除き、出血部分を止血する手術療法があります。
脳腫瘍
脳腫瘍とは、脳や脳を取り巻く組織に生じる腫瘍を総称したものです。 あらゆる世代で発症する可能性があるのが特徴ですが、CTやMRI検査で、ほとんどの脳腫瘍について部位や腫瘍の種類まで診断可能です。 また、脳腫瘍には、悪性と良性に分けられます。 良性であれば、短時間で大きくなったり、他の器官へ転移したりする心配はありません。一方、悪性の場合は、短時間で大きくなったり、転移したりする可能性があります。 どちらも手術での腫瘍の切除を行いますが、悪性の場合には放射線治療や化学療法を行うケースも考えられるでしょう。 脳腫瘍の場合に現れる症状としては、慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐、視力低下などがあげられます。 これらの症状が見られる場合には、早急に脳神経外科を受診することをオススメします。 早期発見できれば、治療もしやすく、完治できれば通常の生活を送ることも可能です。
まとめ
今回は、手足の脱力の原因と前兆についてご紹介しました。 手足の脱力は比較的よくある症状のため、軽視しがちです。 しかし、場合によっては脳梗塞などの重大な病気の前兆である可能性が考えられます。 軽く考えるのではなく、おかしいなと思ったら病院へ診察を受けて、早期発見・早期治療に努めていきましょう。