メディア記事
【院長ブログ】インフルエンザ
昨今では新型コロナの流行が注目されがちですが、毎年、冬になるとインフルエンザが猛威をふるいます。インフルエンザは患者数の多さ、学校や高齢者施設などでの集団感染、死亡事例、また小児における脳炎・脳症等の重症例も見られます。そこで今回は“インフルエンザ”について詳しくお伝えします。
インフルエンザとは?
インフルエンザとはインフルエンザウイルスが原因のウイルス感染症の一つで急性呼吸器感染症という病気を引き起こします。インフルエンザの主な症状は次の通りです。
・突然の38℃以上の高熱
・頭痛、関節痛、筋肉痛などの強い全身症状
・のどの痛み、咳、鼻汁
・合併症として気管支炎や肺炎をおこし重症化することもある
・小児にはインフルエンザが関連した脳炎・脳症等の重症例も発生
・高齢者では死亡原因の一つになる場合がある
インフルエンザの検査は?
鼻の中や咽頭を綿棒でぬぐう検査です。38℃以上の熱が出てから、12時間以上48時間以内の実施が最も正確であるといわれています。15分~20分ほどでインフルエンザ感染の有無及びA型とB型などの種類が判明します。
インフルエンザには種類があります
A型は色々な動物(ヒト、ブタ、トリ、ウマ、ミンククジラ、アザラシ)に感染、B型はヒトのみに感染、C型はヒトとブタに感染するといわれています。
A型は世界的規模の、B型は国内規模の流行がみられますが、C型は地域的に散発発生を起こします。感染とは、ウイルスが鼻や咽頭の粘膜細胞に吸着することによって起こります。
インフルエンザの治療とは?
投薬治療が主で、インフルエンザ治療薬としてはリン酸オセルタミビル(商品名タフミル)、ザナミビル(商品名リレンザ)、塩酸アマンタジン(商品名シンメトレル)が認可されています。
それぞれの薬剤の特徴は次の通りとなります。
ただし発症してから40~48時間以内に服用しない場合には効果が見込めないとされていますので医師と十分に相談のうえ、処方を受けて下さい。
・リン酸オセルタミビルとザナミビル…A型とB型に有効で、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出芽するときに必要なノイラミニダーゼの働きを阻害します
・アマンタジン…A型のみに有効で、ウイルスが細胞に吸着し侵入するところを阻害する
インフルエンザワクチン
現在唯一のインフルエンザの予防法はワクチン摂取のみです。インフルエンザワクチンについては、発熱などの症状を軽減し、合併症を減らし、重症化になるのを防ぐができます。
予防接種を受けずインフルエンザに罹患した人の70〜80%の人は、予防接種を受けていれば、インフルエンザにかからずに済むか、かかったとしても症状が軽くて済むというようにワクチンの有効性が証明されています。
インフルエンザには治療薬もありますが、感染前にワクチン摂取で予防することが最も有効な方法です。特に基礎疾患を有する方や65歳以上の方はインフルエンザにかかると重症化しやすいので、ワクチンの接種をおすすめしています。