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【院長ブログ】ろれつが回らない(障害と治療)
前回「ろれつが回らない」について原因や病気についてお伝えしました。今回は、考えられる障害とその治療についてお伝えします。
「ろれつがまわらない」これって障害ですか?
呂律が回らない原因は、口やその周りの動きが悪いことから起きます。口だけではなく、舌の動き、顔の動きが悪くなると、呂律が回らなくなります。脳だけでなく、舌そのもの異常や顔を動かす筋肉の異常が原因です。
専門用語で「構音障害」といいます。
構音障害とは何ですか?
「ろれつが回らない」は、構音障害の中でも、運動障害性構音障害に分類されています。
運動障害性構音障害とは、脳梗塞によって脳幹または脳幹につながる神経線維が損傷を受けて、その結果として、唇や舌などに麻痺が出て、ことばをうまく発音できなくなる症状です。運動障害性構音障害は、発声がうまくできないのは機能性の問題のため、耳で聞いて理解する能力・目を読んで理解する能力に問題はありません。利き手に麻痺が出ていない限りは、運動障害性構音障害で言葉が発することができなくても、筆談でコミュニケーションを取ることは可能です。
構音障害の治療法は?
治療法には外科的治療、構音訓練、発音補助装置の適用の3つの方法があります。
外科的治療(手術)
発音に関与する器官の形態を整え、発音がしやすい状態にするために医師や歯科医師がおこないます。
構音訓練
言語聴覚士が担当し、舌など発音に関与している器官の運動能力を高め、正しく発音が行えるよう訓練します。外科手術後などには、発音に関与する器官の形態変化や運動機能の低下のため正しく発音することができないことがあります。本来の発音法とは異なる方法で代償できる方法を指導する場合もあります。
発音補助装置
歯科医師が作製します。口腔がんの手術後の大きな欠損を塞ぐための特殊な形態の義歯のほか、舌と上顎を接触しやすくする装置、鼻漏れを防止する装置、位置がずれた下顎を元の位置に誘導する装置など個々の患者の状態に合わせ工夫された装置が作製されます。