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【院長ブログ】てんかんの治療法
前回は“てんかんについて(原因と症状)”をお伝えしました。今回は、その“てんかんの治療法”についてお伝えします。てんかんの治療の第一選択肢は薬物療法です。
初期診断で、本当にてんかんなのかどうか、ほかに治療が必要な原因はないのかを見極めたうえで、長期的な治療の見通しを立てることが大切です。そのため、専門医の診断が非常に重要となります。
大阪府吹田市にある医療法人かわかみ内科にはてんかんの専門医おり、安心して受診できる環境を整えておりますので、お気軽にご相談ください。
てんかん発作型の分類について
てんかん発作型の分類は、治療方針の選択に大変重要となります。過剰な電気的興奮が起こる部位や電気的な興奮の広がり方によって「部分発作(焦点発作)」と「全般発作」に分けられます。
部分発作
過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる発作です。意識障害の有無により「単純部分発作」と「複雑部分発作」に分けられます。
全般発作
大脳の両側の広い範囲で過剰な興奮が起こる発作です。発作時には、ほとんどの患者さんに意識はありません。「強直間代発作」「強直発作」「間代発作」「欠神発作」「ミオクロニー発作」などがあります。
てんかんの治療法について
てんかんの治療は、抗てんかん薬というお薬を毎日規則的に服用し、発作の抑制を目的とした薬物療法が主流です。そのほかにも迷走神経刺激療法や、外科的治療、食事療法(ケトン食)などもありますが、まずは十分に薬物治療を行った上で、期待した効果が得られないとき(難治性てんかん)に検討をします。それぞれについて次の項で詳しくお伝えします。
てんかんの治療①薬物用法
てんかんの薬物治療に関して最も大切なことは、発作の型にあった抗てんかん薬を服薬し、最大許容量にて十分な期間、様子を見ることです。抗てんかん薬とは、脳の神経細胞の電気的な興奮をおさえたり、興奮が他の神経細胞に伝わっていかないようにすることで発作の症状をおさえる薬のことです。
薬物治療にあたっては次のようなポイントをしっかり守るようにしましょう。
- 毎日規則正しく決められた量を服用する
- 生活リズムを整え暴飲暴食や睡眠不足を避ける
- 勝手に服薬を中断しないこと
てんかんの治療②外科治療
すべてのてんかんが外科治療の対象ではなく、発作の始まる部分(起点)がはっきりしている、部分てんかんで、その部分を切除しても障害が残らない場合が対象です。外科手術には発作消失を目指す根治手術と、発作の頻度などを軽減することを目的とする緩和手術(迷走神経刺激療法など)があります。
てんかんの治療③食事療法
抗てんかん薬による治療をおこなっても発作が抑えられない難治性てんかんの場合に検討します。代表的なものに「ケトン食療法」があります。ミオクロニー発作や脱力発作となどの難治性てんかん発作を抑制する効果のほか、発達や精神面での改善効果がみられることもあります。適応年齢は、ほとんどが5歳以下の子どもです。











