質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、さらに症状を悪化させることが知られています。睡眠の問題は睡眠習慣の問題と睡眠障害の問題とに分けられます。そこで今回は、睡眠と生活習慣病の関係について睡眠習慣と睡眠障害の観点からお伝えします。

睡眠習慣と生活習慣病の関係

睡眠習慣（慢性的な睡眠不足）は次のようなさまざまなことを引き起こします。

・日中の眠気や意欲低下

・体内のホルモン分泌や自律神経の調節機能に大きな影響

・記憶力減退など精神機能の低下

・食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が亢進するため、食欲が増大する

・糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病にを発症しやすい

睡眠障害と生活習慣病

睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの睡眠障害もまた生活習慣病の発症に関わっています。睡眠障害の症状ごとに生活習慣病との関係をお伝えします。

睡眠時無呼吸症候群

夜間の頻回の呼吸停止によって低酸素血症と交感神経の緊張、酸化ストレスや炎症、代謝異常などの生活習慣病の予備軍の状態が進み、その結果として5～10年後には心不全・虚血性心疾患・脳血管障害・高血圧などを発症しやすくなります。

慢性不眠症

交感神経の緊張、血糖を上昇させる糖質コルチコイドの過剰分泌、睡眠時間の短縮、うつ状態による活動性の低下など多くの生活習慣病リスクを抱えることになります。

不眠症状のある人ではよく眠れている人と比較して糖尿病の発生リスクが1.5～2倍になることが知られています。

まとめ

長期にわたり睡眠不足を続けたり、睡眠障害を放置し続けたりすることは、私たちの健康を大きく害することになります。

睡眠習慣の問題や睡眠障害はそのまま放置せずにしましょう。

ご自身の睡眠状態に疑問を感じたら、お気軽に大阪府吹田市にある医療法人かわかみ内科へご相談ください。