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【院長ブログ】もやもや病の治療法
前回は「もやもや病について(原因と症状)をお伝えしました。今回は、その治療法や経過についてお伝えします。正しい知識を身につけることは非常に大切です。
大阪府吹田市の医療法人かわかみ内科でも安心して受診できる環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。
どのような治療法がありますか?
脳卒中の予防のためには手術治療が効果的
原因である内頚動脈の閉塞に対して直接的に治療するためではなく、新たな血流の供給するためのバイパス経路を作成するというものです。
脳血流不足で発症した場合
血液の中の血小板という成分の機能を抑え血液を固まりにくくする抗血小板薬が使用され、一定の治療効果があります。
脳卒中を起こした直後の場合
一般的な脳卒中の治療が行われ、症状が安定したあとで外科的治療を考えるのが一般的です。
どのような経過をたどりますか?
・脳の血管の閉塞は、最初の診断時と同じ状態が何年も何十年も変化しなし人もいれば、徐々に進行していく人もいます。従って、定期的にMRIなどによる検査が重要です。適切な治療や管理を受けて学業を終えて就労されているかたや、妊娠出産を経てお子様をお持ちになっておられるかたが多く、約7割程度の患者様は、安定した生活を送っているとのことです。
・初発症状が脳出血や脳梗塞でおこった場合は、後遺症として運動麻痺、言語障害、高次脳機能障害などが見られることがしばしばあります。
日常生活で注意するポイントは?
・小児の場合、症状が頻繁に出現するときには、激しい運動や楽器演奏は控え、なるべく早期に手術治療を行うことをおすすめしています。
・治療後、症状が安定しているお子様に対しての過度な生活動作の制限の必要はありません。
手術後に症状が消失したのに、長期に渡り日常生活などが制限されている場合には学校や主治医などと相談されることをおすすめします。
・手術後、しびれや脱力などの発作が頻繁に起こる場合であっても、半年~1年程も経過すると安定することが大多数です。
安定すれば基本的には日常生活での制限を要する場合はないといわれています。