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【院長ブログ】認知症の治療法
大阪府吹田市の医療法人かわかみ内科では、地域の皆様が安心して暮らしていただけるよう、吹田市周辺までを範囲として、24時間体制で在宅診療も行っています。
認知症の治療には、薬物療法、非薬物療法のほか、家族のケアが非常に重要になります。
そこで今回は“認知症の治療法”について具体的にどのようなことがなされているのかをお伝えします。
認知症は治療できる病気?
認知症には、根治がみこめない認知症と治療が可能な認知症とがあります。
根治がみこめない認知症(脳の変性でおこるの認知症)
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
治療可能な認知症(疾患の治療が優先)
- 内分泌疾患(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症)
- 欠乏性疾患・代謝性疾患(ビタミンB1欠乏症・ビタミンB12欠乏症・葉酸欠乏症など)
- 自己免疫性疾患
- 内科的疾患(呼吸器・肝臓・腎臓疾患、神経感染症)
根本的な治療はできますか?
アルツハイマー型認知症などの脳の変性でおこる認知症を完全に治す治療法はまだありません。
できるだけ症状を軽くし、病気の進行の速度を遅らせることが現在の治療目標となります。
治療法には薬物療法と非薬物療法があり、これらを組み合わせて治療を進めます。
中核症状の治療は薬物療法が中心
中核症状への治療の中心は薬物療法となります。
- アルツハイマー型認知症
塩酸ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンといったコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンなどのNMDA受容体拮抗薬に中核症状の改善効果があることが認められています。
- レビー小体型認知症
塩酸ドネペジルのみ保険適応。
これらの薬剤の効果は一時的なもので、認知症の進行を完全に抑えるものではありません。
- 血管性認知症
効果が期待できる薬剤は今のところ存在しませんが、脳卒中などの再発予防のために高血圧などの生活習慣病の治療などをおこなうことが必要です。
周辺症状(BPSD)の治療はまず非薬物療法が中心
非薬物的療法とは、薬物を用いない治療的なアプローチのこと。脳を活性化し、できるだけ長く残存機能を維持し、生活能力を高めるのが目的。本人の症状や気持ちに合わせて、無理のない範囲で行います。
非薬物療法はさまざまあり、以下のようなものが挙げられます。
- 理学療法・作業療法などのリハビリテーション
- 認知リハビリテーション
- リアリティ・オリエンテーション
- 回想法
- 音楽療法、芸術療法、園芸療法など
- アニマルセラピー
家族の役割が重要な治療!
治療と並ぶほど重要な役割を果たしているのが、毎日の生活におけるご家族の対応です。
適切なケアによって、周辺症状などが回避できる場合もあります。
ご家族の心のゆとりは、ご本人の病状の安定や症状の進行に非常に大きな役割を持ちます。
ご家族が、まず認知症という病気をしっかりと理解し、ご本人との信頼関係を築くことが1番の治療になるのです。
大阪府吹田市の医療法人かわかみ内科でも安心して受診できる環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。