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【院長ブログ】頭痛はどう治療すればいい?頭痛の種類ごとの治療法
日々、頭痛に悩まされてはいるが「我慢していれば治る」「いつものことだから…」と特に何もせず過ごしてはいませんか?
今回は別記事で機能性頭痛としてご紹介した3つの代表的な頭痛である片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の治療法について詳しく解説したいと思います。
片頭痛の治療法
まずは片頭痛の治療についてから見ていきましょう。
結論から述べると、片頭痛は完治することは難しいと言えます。
ただし、適切な治療や投薬をはじめ、ご自身でのケアによって慢性的な片頭痛をコントロールすることはできます。
また、片頭痛は年齢と女性ホルモンの分泌が最も関連があると言われているため、加齢とともに症状は軽減すると言われています。男性では50歳程度、女性は比較的遅く60歳代程度までは片頭痛の発作が続くことがありますが、その後は出現しにくくなります。
要因を回避する
片頭痛の発作を起こさないために、そのきっかけとなる要因を回避するという方法があります。
要因となるものにはストレスや不安といった精神的なものや、疲労や睡眠不足、不規則な生活といった身体的なもの、加工肉製品やチーズなどのチラミンと呼ばれる物質を含む食品の摂取といった食事性のものなど様々なものが存在ます。
さらには、強い光や騒音、匂いなど環境性のものが要因となる場合もあります。
そのため、これらの要因をできる限り回避することで片頭痛を軽減することができると言えるでしょう。
急性発作の対処
片頭痛の中でも急性発作の場合は、可能な限り早い段階で薬を投与することが効果的です。
ただし、薬を頻繁に使用しすぎることには注意してください。過多に使用するとそれ自体が原因となり頭痛が起こったり、慢性化することもありうるためです。
薬の投与についてはしっかりと専門医に相談した上で、適切な処方と投与量を守ることが大切です。
緊張型頭痛の治療法
次に緊張型頭痛の治療についてですが、主に運動療法と薬物療法が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
運動療法
心と体の緊張を緩和するリラクゼーションを中心とした治療です。
運動療法では大切なのは、痛みに関係する部分だけでなく、全身をバランスよく動かすことです。入浴はぬるめに設定した湯船に長く浸かり、体を芯まで温めて血行を改善させることを意識するのも効果的です。
また、同じ姿勢を続けることが多いお仕事をされている方は、それがストレスとなり頭痛が起こる場合もあります。そういった方はこの運動療法によって頭痛を軽減できる効果が得やすいと言われているので、一度試してみるとよいでしょう。
薬物療法
運動療法で効果が得られない場合には薬物療法を行います。
痛みがさほど強くなく、短時間で解消するような頭痛の場合には鎮痛剤による治療が効果的です。
ただし、中には病院を受診せず、ご自身で購入した市販薬を使っているケースも多く、薬を使いすぎてしまい、中には不眠症やうつ病への移行することもあるため注意が必要です。
病院でしっかりとMRIや血液検査で異常がないことを確認し、間違いなく緊張型頭痛であると診断された上でうまく薬を使っていく必要があります。
群発頭痛の治療法
最後に緊張型頭痛の治療についてです。こちらは薬物療法と酸素吸入が主な治療法とされています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
薬物療法
脳の血管が拡がるのを防止するトリプタン製剤という薬が主に使用されます。
一般の鎮痛剤やトリプタン系の内服薬では、即効性や高い効果が期待できません。皮下注射薬や点鼻剤を用いると10分程度で痛みが軽減し始めます。
連日痛みが発生するような場合には、通院での注射は難しいため、医師の指導のもと自己注射の方法を習得することもあります。
酸素吸入
急性の発作時には、酸素吸入も効果的です。
医療用酸素を15分程度吸入することで症状が和らぐ場合があります。
なお、こちらの酸素吸入は重度の患者には近年、保険適用が可能となりました。
まとめ
頭痛にはいくつもの種類があり、それぞれに治療法が異なります。
例えば、温めた方が痛みが和らぐこともあれば、痛みを強くしてしまう場合もあります。我慢することはもちろんよくありませんが、安易に市販薬などを多用し、かえって症状が悪化してしまうケースもあります。
頭痛に悩んでいる方はまずは専門医を受診し、適切な治療法をみつけていくことが大切です。