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【院長ブログ】めまいはどう治療するの?薬や体操による治療法
めまいとは、自分自身がグルグル回っている、フラフラする、グラグラするといった症状のことを指します。
一過性のものから、人によっては歩けなくなったり、嘔吐してしまったりするようなひどいものまで複数の種類があります。
今回はその中でも代表的なめまいの治療法について詳しく解説していきたいと思います。
薬によるめまいの治療法
めまいはさまざまな原因で起こり、人によって感じ方や表現が異なるため、タイプ分けも難しいとされています。そのため、一般的には病歴が重視され、主に薬による治療が行われます。それでは、どのような薬が用いられているのか見ていきましょう。
抗めまい薬・循環改善薬
はじめにご紹介するのが、抗めまい薬・循環改善薬と呼ばれるものです。
抗めまい薬は、脳や内耳の血液や内リンパの流れを良くし、首から脳への血流量を増やします。
また、内耳の血管を広げて血流をよくする内耳循環改善薬は、めまいを引き起こす病気のひとつであるメニエール病の治療でよく用いられています。
その他めまいに効く可能性のある薬
めまいに伴う吐き気を抑えるためには吐き気止めを使うことがあります。これらは経口摂取が難しい場合には、注射や点滴も可能であるという利点があります。
めまいに対する不安が、さらに症状を悪化させるといった場合には抗不安薬を使用するとよいでしょう。また鬱傾向のある人には抗うつ薬が処方されることがあります。
心の不調が原因となっている場合には、これらの薬によってめまいの緩和が期待できます。
良性発作性頭位めまい症であれば薬も手術も不要
薬によるめまいの治療についてご紹介しましたが、めまいの種類によってはこれらの薬や手術すらも不要で治療が可能なものも存在します。
良性発作性頭位めまい症と呼ばれるものがそれにあたります。詳しくみていきましょう。
良性発作性頭位めまい症とは
良性発作性頭位めまい症とは、めまいの中で最も多い疾患です。
じっとしているときはめまいが起こらず、頭を動かして、決まった頭の位置でめまいが起こるのが特徴の代表的な耳の病気です。
めまいが起こる頭の位置は、人によって様々です。例としては寝返りをうったときや朝起き上がったとき、上を向いたときや逆に下を向いたときなどが挙げられます。
症状としては、目がグルグルと回るような回転性のめまいであることが多く、平衡感覚が失われて転倒してしまうような場合もあります。
回転性のめまいでは吐き気やおう吐を伴うこともありますが、メニエール病のように、耳鳴りや難聴などの症状は起こりません。めまいそのものも長く続くことはなく、数秒から数分程度で治まりますが、何度も繰り返すのという特徴があります。
体操による治療
良性発作性頭位めまい症の治療には薬や手術は必要ありません。
そもそも良性発作性頭位めまい症は何らかの原因で耳石が剥がれて、三半規管内に入り込み浮遊するために起こる症状です。
そのため、この耳石をもとの耳石器に戻してしまえば症状は収まります。
検査で耳石の位置を確認する必要はありますが、頭の確度をゆっくり変える体操によって、三半規管にたまっている耳石を外に出すという治療法で多くの場合、改善が可能です。
メニエール病によるめまいはストレスに注意
良性発作性頭位めまい症の次に多いのがメニエール病によるめまいです。
メニエール病は内耳にあるリンパ液が増えて、むくみを起こすことでめまいや吐き気だけでなく、耳鳴りや難聴、耳の閉塞感といった症状が現れる病気です。
良性発作性頭位めまい症とは異なり、めまいの持続時間が数十分から数時間と比較的長いことが特徴です。
このメニエール病は内耳にあるリンパ液が増えること以外、原因がよくわかってはいませんがストレスや心身の疲労が蓄積するほど起こりやすくなると言われています。
そのため日常生活では無理をせず、リラックスすることを心がけるようにしましょう。
まとめ
めまいの治療についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
薬による治療が一般的ではありますが、めまいの中でも最も多い疾患である良性発作性頭位めまい症のように薬や手術も不要で治療できるものもあります。
また、次いで多いメニエール病については詳しい原因はわかってはいませんが、ストレスを減らすことでそのリスクを軽減できることがわかっています。
このようにめまいの治療法にも様々な種類があるため、正しい診断と適切な治療を受けることが大切と言えるでしょう。